新型コロナウイルス禍と食の行方

 この20年の世界の変化、特に食・農業政策に起こっている変化は巨大なものがある。まず最初の大きな一撃は2007年/2008年の世界食料危機。しかし、それ以上に大きなインパクトを与えたのがこの新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)による感染症COVID-19の蔓延の事態となるのではないだろうか? “新型コロナウイルス禍と食の行方” の続きを読む

有機農業の問題としての種苗法改正問題

 種苗法改正法案の今国会での審議はほぼなくなった。先月末までこれは与野党で問題にする案件じゃないから審議なしの即決で決める、と言っていたものがここまで変わったのは多くの人たちが国会議員に電話やFAX、メールや署名をしてくれたおかげだと思う。お疲れさまでした! しかし、残念ながら廃案になったわけではなく、次期国会で今度はまったなしで審議されるのでさらに厳しい局面になるだろう。それを前に、現在の法案や政府の施策にどんな問題があるのかまだまだ探る必要がある。

 ここでは有機農業の問題として考えてみたい。有機農業は今、世界で最も成長している産業といえる。この20年足らずの間に世界の有機市場は5倍近く拡大しており、その勢いは止まることを知らない。気候変動問題や生態系の危機が迫られる中、有機農業が持つ役割の大きさにも注目が国際的に集まっている。 “有機農業の問題としての種苗法改正問題” の続きを読む

種苗法改正を考える:新しい世界の動き

 どうやら種苗法改定案は今国会見送りになる可能性が高くなってきたようだ。しかし、廃案になったわけではないので油断はできない。
 もっとも、農水省の職員になって、きまじめに職務を実行している人たちからすると、今回の種苗法改正は長年かけてやってきたことの集大成だと思っているかもしれない。

 1998年、日本は種苗法を改訂して以来、自家増殖を原則禁止にするという方向性は農水省の研究会でもたびたび打ち出されており、現場に混乱を来さないようにたびたびアンケートを実施して、問題少なそうなものから禁止種を増やしてきた。今回はその総仕上げ、ということになる。

 だから、やるべきことを粛々とやってきた、それなのになぜ、騒ぐの? ということになるだろう。でもそれは自分の机の周りしか見ていないからで、世界の動きを見れば、それは考え直さなければならないことがわかるだろう。 “種苗法改正を考える:新しい世界の動き” の続きを読む

種苗法改定は影響ないって本当? 登録品種の実情2

 昨日、種苗法改正に関して、登録品種10%だけが自家増殖できなくなるだけだから、全然問題ない、という言い方が本当に実態に即しているのか、ということで沖縄と大分で栽培されている品種を例に見てみました。

 特に穀類、果樹、サトウキビなど地域を支える主力品種は登録品種がかなり多く、そうした作物を栽培している人には影響がありうることを示しました。

 ここでは、登録品種ではない方の品種(農水省の呼ぶ一般品種)がどんなもので構成されているか、確認してみます。 “種苗法改定は影響ないって本当? 登録品種の実情2” の続きを読む

種苗法改定は影響ないって本当? 登録品種の実情

 種苗法改正は大した影響を与えないと思っている方は農家の中にも少なくない。そうした人たちからみたら、「なんで騒いでいるの?」ということになるだろう。たとえば野菜はトマトなどを除くとそもそも種苗法上、登録されていないものが多い。だから野菜ばかり栽培されている農家の場合にはすぐには影響が出ないだろう。なら、本当に影響ない? “種苗法改定は影響ないって本当? 登録品種の実情” の続きを読む

種苗法を取り巻く見えないプレーヤー

 検察庁法改正案、強行採決されず、まずはよかった。反対の声を上げたすべての方に感謝。でも来週が正念場。この法案が成立すれば日本のすべての領域に悪影響を及ぼすだろう。でも、ここで踏ん張ることができれば大きな意味があると思う。

 昨日一昨日と2日、国会に行って、自民党の農政関係の議員に会い、種苗法改正についての懸念をお伝えしてきた。ほぼこちらの主張に同意する議員も、部分的に趣旨は理解するという議員もいる。まともな国会であれば即決はありえず、議論が相当噴出せざるをえない。与党の中にもこれだけ批判があるのだから。しかし、それにも関わらず、結論として来週、自民党は1回だけの委員会で採決、衆院通過まで狙っていることは間違いない。 “種苗法を取り巻く見えないプレーヤー” の続きを読む