種苗法改定に対する対抗策は?

 連休明けにも政府は種苗法を改定しようとしている。この問題に関して『現代農業』2020年4月号の特集がすばらしいのでぜひ読んでいただきたい。
 今回の種苗法改定にはさまざまな意味で日本の社会の根幹を崩す可能性があることを指摘してきた。
 そんな法案を農家不在、地方公聴会も開催不能な状況で即決していいはずはない。しかし、政府はもうやる気であるという。数で押し切られれば、通ってしまう。
 もう手がないのだろうか? いや、まだぎりぎり抵抗線を引くことは可能だろう。 “種苗法改定に対する対抗策は?” の続きを読む

種苗法:そろそろ種子主権の確立を考える時

 種苗法改定法案が連休明けに審議入りされかねない。公聴会や審議において農家が発言する機会もなく、審議することは農家の権利を踏みにじり、国際条約違反となるので、反対せざるをえない。

 この改定法案の問題点をこれまでまとめてきたが、改めて、政府の主張を確認したい。なぜ、農家の自家増殖を許諾制(許諾ない自家増殖の禁止)にするのか? 政府は2つの理由を示している。1つは日本の種苗の海外流出を防ぐため、そして、もう1つが農家が自家増殖してしまうと種苗会社が新品種を開発する意欲を奪ってしまうというものだ。 “種苗法:そろそろ種子主権の確立を考える時” の続きを読む

種苗法改定案に関する自民党Q&Aを検証する その2

 種苗法改定法案を通すために自民党がQ&Aを作成して、国会議員やマスメディアに配布している。しかし、その受け答えには大きな問題があり、種苗法問題の部分については別記事でまとめた。
 このQ&Aには種苗法以外にも2018年4月に廃止された主要農作物種子法(種子法)についても触れられているので、それについても以下にコメントする。 “種苗法改定案に関する自民党Q&Aを検証する その2” の続きを読む

種苗法改定案に関する自民党Q&Aを検証する

 この間、今回の種苗法改定案にある問題について詳細に指摘してきた(1)。しかし、国会からの情報によると与党はこの法案を新型コロナウイルス感染を理由に審議を実質的にせずに、4月中に衆参1回切りの形式的な審議に留め、成立させようという意向であるという。 “種苗法改定案に関する自民党Q&Aを検証する” の続きを読む

Wake-Up Callとしての新型コロナウイルス

 世界が新型コロナウイルスを緊急の「Wake-up Call」だと呼んでいる。目を覚まして、われわれのあり方そのものを変えなければ大変なことになると言っているのだ。ただ単にこのウイルスだけの問題ではない。われわれの社会のあり方全体に関わりあることである。 “Wake-Up Callとしての新型コロナウイルス” の続きを読む

ブラジルで緊急ベーシックインカム。転機を迎える世界

 少し前にブラジルのボルソナロ大統領が演説。
 これまで貧困層への支援や公共医療への削減ばかりを狙っていた大統領。ウイルス感染に対する閉鎖・外出規制を指示する州知事を非難して、ブラジル市民をさらに危険に曝してきた大統領。市民は毎日のように彼に対して抗議活動を繰り返してきた。それが突然、ころっと変わって、「私は就任以来、ずっと人びとの支援のためにやってきた」とばかりに、感染対策医療を充実させ、ボルサ・ファミリア(貧困層の家族支援計画)や今回の緊急ベーシックインカム(*)などを行うと堂々と演説。 “ブラジルで緊急ベーシックインカム。転機を迎える世界” の続きを読む