京都市アグロエコロジー宣言

 京都市の市政に実現すべき課題を市民グループが協議して提案する活動を行っている。その1つの議論の場に出させていただき、その討論会での議論で、京都市の学校給食をオーガニックにすることをめざそう、と京都市長選への出馬を予定している福山和人さんが発言し、ご自身のマニフェストにも組み込んだ。そしてそれが1つのチラシとなった。
 「京都市アグロエコロジー宣言」。

 画像では文字を読むのが難しいと思うので、福山和人さんの食に関するマニフェストをここで引用させていただく(福山さんのマニフェスト(PDFファイル)は176に及ぶ膨大なものとなっている。ここでは食と農に関わるものに絞っている)。上記チラシのPDF版は井崎敦子と草の根プロジェクトのページで公開されている。

  • いのちの根幹を支え、持続可能な開発目標の核心をなす農業・農村を全力で応援する。市として農業・農村の維持のための独自の所得補償制度を検討し、新規就農者・認定農家の支援、有害鳥獣対策の強化などおこなう。
  • 「主要農作物種子法(種子法)」の廃止を受けて、京都府に対し、主要農産物の種子の保全や開発、安定供給をめざす「種子交換ネットワーク」を形成するように求める。さらに、府に対して食の安心を守るための「種子条例」の制定を求める。
  • 農家による種子の自家増殖や販売、利用の権利を奪う種苗法「改正」に反対する。
    「京野菜」をはじめとする伝統的な農業や地域品種など多様な種苗を保全し、普及を援助する。
  • 国連が採択した「小農と農村で働く人々の権利宣言」の理念と基本方針を踏まえ、「食と農のまちづくり京都条例」(仮称)を制定し、農業者や研究者、流通者、消費者など当事者の意見を聞きながら(タウンミーティングなど)、京都の風土や農家の条件に応じた有機農法や環境保全型農業を推進し、安価で安全な農産物を提供できる環境整備をすすめる。
  • 農家の後継者不足問題による休耕田畑を活用しての新規就農者支援、地産地消、持続可能な農業・流通システムの環境整備をすすめ、学校給食に京都の安全な農産物を積極的に使い、食の安心安全と農業振興を同時にすすめるモデルをつくる。
  • 2020年の生産緑地法改正により予想される京都市の生産緑地(農地)の宅地転用を防ぐための対策を検討する。
  • 京都が京都であるためにも、防災上からも京都の森林環境の保全とそれを生かした林業の持続的経営が重要であり、これらが持続できるように、京都市森林整備計画を実効あるものにして、積極的な施策をすすめる。
  • 森林の育成、京都産材を多用した住宅・公共施設建設、間伐材の活用などによって地元林業者や製材業者などの支援対策を確立する。

 中味はもちろん、作り出すプロセスもこれまで日本の地方政治になかったものではないだろうか? 市民によるボトムアップの政策提言が市長選に結びついて、市政の改革に結びつくとしたら、今後の日本の社会のあり方を変えていくヒントになるのではないだろうか?

 中心となられたのは井崎敦子と草の根プロジェクトに関わるみなさん。

 印鑰の発言部分をまとめたものは以下のもの

 本来、命を守るべき食べ物が今、命を脅かすものになっています。植物は土の中の微生物の働きで育つのですが、化学肥料や除草剤を大量に使用すると微生物が弱まり、植物は根を深く張る必要がなくなり、土が雨や風でどんどん流出しています。このままでは世界中の土があと60年でなくなる、と国連も警告しています。
 遺伝子組み換え作物や農薬は食べた人の健康を損なうだけでなく、生態系にも多大な影響を与えており、国連に集まった科学者たちは、あとたった30年で100万種を超える生物が絶滅してしまうと警告しています。さらに抗生物質耐性菌がガンを上回る人類最大の脅威になろうとしています。遺伝子組み換えには抗生物質耐性タンパクが使われ、農薬もまた抗生物質、それを含むものが家畜のエサとなり、さらに家畜を工場のように詰め込む工場型畜産では感染症予防と早く太らせるためにエサに抗生物質を毎日混ぜます。その肉を食べ続ければ抗生物質は効かない体になり、命を落としてしまうのです。
 こんな命を奪う食ではなく、健康も生態系を守る農業へ、食のシステムを変える食の民主主義、「フードデモクラシー」を目指す動きが世界的な広がりを見せ、国連も小規模家族農業によるアグロエコロジーを奨励しています。一方、日本政府はこの2年間に種子法廃止、卸売市場法改悪など法律を変え、遺伝子組み換え食品を承認し、除草剤も規制緩和し、危険の指摘される「ゲノム編集」を無規制で承認するなど、世界の潮流から逆行しています。

 だからこそ、地方自治体が命を守る防波堤になる必要があります。
 地方自治体が条例を作って種子を守り、環境配慮型農業や有機農業を推進、助成金を出し、地元産の安心な野菜を学校給食に取り入れていけば、きっと劇的に変わってくると思います。好循環を生み出し、新しいビジネスも生まれてくる。環境に良いということは、災害に強い街にもなるのです。生態系に配慮した農業を基本に据えた環境活動、アグロエコロジーの実践を京都市から行ってくれたらその影響力は計り知れないと思います。

“京都市アグロエコロジー宣言” への1件の返信

  1. 長周新聞からこちらのブログを知りました。
    最近の世を観ていて思うのはまず経済「カネ」が第一。それを無理に裏付けようとする「科学的根拠」ばかりが横行してその為には隠蔽改竄は当たり前、議会などただの飾りになっています。企業、投資家の利権が優先、民衆は倒れようが知ったことではない。耳障りのよい言葉にすり替え強引に押し通す。
    良心で考えて未来まで自然と共に弥栄えるということにはすぐに「カネ」にならないから遠ざける。

    私達一人一人がまずは目先の経済的豊かさだけが「誠」の成長ではないということに気が付かないと日本は否、地球は本当に堕落退廃した星になり滅亡するでしょう。

    何が根元なのか?繁った枝葉ばかり観ていても何も変わりません。幹は腐りかけているというのに。貴重な内容のブログ有り難うございます。

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