米国政府が支えるモンサント(バイエル)

 モンサント(バイエル)のラウンドアップに対する裁判がカナダやオーストラリアでも起こされ、さらにはトーゴーが禁止を決定するなど、ラウンドアップに対する世界の目はさらに厳しくなるばかりだが、米国政府は一貫してモンサントの渉外部として世界に干渉をし続けている。

 2014年にエルサルバドル議会がラウンドアップ禁止を決議すると、米国政府が圧力をかけ、その結果、この禁止は実行に移されず、スリランカが禁止した後も圧力をかけ、その禁止を緩和を勝ち取り、タイが今年決めた禁止も結局、反故にさせてしまった。オーストリアの禁止が遅れる背景にも米国政府の圧力が確実にあると推測すべきだろう。

 モンサントは原爆のマンハッタン計画への参加、米軍へのDDT供与など戦争企業として米国政府に食い込み、ベトナム戦争では枯れ葉剤の製造にも関わっている。政府の研究者が危険として厳密な審査を求めた遺伝子組み換え作物・食品もこのモンサントが政府に入り込んで認める政策に変えさせてしまい、そしてラウンドアップの規制も米国政府が米国市民の税金を用いて、世界にはねのける動きをする。ここまで1企業の利益のあからさまな推進が行われ、それが公言され、裁判でも明らかにされていることは他に例があるだろうか? それにも関わらず、その政策が忠実にコピーされているのが現在の日本である。

 ラウンドアップによって北米を代表する蝶オオカバマダラが絶滅の危惧に瀕していることがはっきり指摘されている中で、米国環境保護局(EPA)が支持するのはありえない話だが、それが起きてしまうのが今の米国政府。
 この動きは米国国内の裁判にも影響を与えようとするものだろう。今後の米国の裁判がどう変わってしまうのか、それとも司法の独立は曲げられないか、しっかりと見ておきたい。
 こうした米国の一連の動きの中で、落ち続けてきたバイエルの株価が上昇に転じている。モンサント・バイエルが今後どうなるのかは、世界の生態系がどれだけ危機においやられるのかにも関わる大問題であることは間違いない。

とても引用したい記事ではないが、この現状は見ておくべきだろうということで、引用。

独バイエルに明るい兆し、米環境保護局が「ラウンドアップ」支持

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