遺伝子組み換えや農薬を包括的に避ける新たな民間認証制度

 明日、10月1日は何重にも腹立たしい日となる。消費税増税、さらにゲノム編集食品の解禁、今日はさらにゲノム編集を有機認証に含めるための検討会までを開いたという(リーク情報。今日の会議の情報はまだ届いていない)。安倍政権の国会無視は常態化しており、政策を私的な会議で決めてしまう。今回の会合に関しては開催の情報すら隠され、日本列島住民は一切蚊帳の外。最新情報がないのでなんとも断定はできないが、もし本日本当に開催されたのであれば、その独裁状況はさらにひどくなっている、と言わざるをえないことになる。

 こんなとんでもない動きをもたらしている政治と多国籍企業本位のシステムを変えなければいけない。でも、どこからきっかけを作ればいいのか、前の投稿では民間の認証システムについて触れた。確固たる原則を持った認証組織が政府がやろうとしない食品や種子の認証を行うことで、人びとはその認証を元に判断できるようになる、そうなれば食のシステムは大きく変わっていくということで、有効なツールになりうるだろう。

 もっとも認証はやっかいだ。食品や種子を売る人は認証を取るために、手間も費用もさらにかかってしまう。本来はこうした仕組みは逆にすべき、つまり、農薬や化学肥料を使った人、遺伝子操作技術を使った人がそれを表示しなければならない、というルールにする。農薬を使わなかった人は何も書かなくていい。一番楽になる。今はその逆で、苦労して農薬を一切使わない人がさらに手間暇かけて認証を取らなければならない。お金もかかる。だから、そうしたことにお金を出すのだったら、むしろ、消費者と生産者の信頼関係で確認した方がいい、という考え方も成り立つし、それは産直・提携の理想的な姿かもしれない。
 ただ、加工食品となると、とても多くの要素が絡んできてすべての生産者との間に信頼関係を作り出すのも容易な作業ではなくなる。やはり、そのような場合は認証システムが必要になってくるのかもしれない。

 米国ではさまざまな認証がすでに存在する。政府の認証であるUSDA Organic、遺伝子組み換え食品を含まないことを認証するNon-GMO Project、販売店が独自にNon-GMO表示することもある。どれも一長一短あり、複数の認証を合わせてその安全性を確保できるのだけれども、年末に日本に講演に来る予定のゼン・ハニーカットさんが創設したMoms Across Americaが新たな認証 Moms Across America Gold Standardを始めた。なぜ、新しいものを始めたのか、現在のこの認証制度の欠点を補うためであることは言うまでもないだろう。

 遺伝子組み換え作物や含まれる農薬だけでなく、たとえば有害性が指摘されるカラギーナンや重金属などもチェックされ、三つ星から五つ星まで3段階にランク付けされるが、五つ星を取るためには環境再生農業(Regenerative agriculture)を支援することが求められるというユニークな基準となっている。すでにこの五つ星を取る商品が出ているというから驚きだ。

 果たして日本でどれだけこの基準をパスできるものがあるか、と考えると厳しいものがあるかもしれない。

MOMS ACROSS AMERICA GOLD STANDARD

 この記事ではゲノム編集については言及されていないが、ゲノム編集は遺伝子組み換えとして見なされているので認証の対象とはならないことは間違いないだろう(問題はどうやってそれを確認するのかになるが、これは来日される時までには確認できるだろう)。

 このような認証制度のおかげで米国の消費者はトランプ政権による暴政の中でも対応できていけるのかもしれない。しかし、もし、私たちが何もしなければ、その被害を受けるのは米国市民ではなく、日本列島住民になる可能性がひじょうに高い。

 こんな時期に日本列島にいる私たちにとって、まったく大変な時代に突入したものだ。米国市民とも連帯しながら、このひどい状況を変えていきたい。

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