グリホサートのEU5年使用延長はモンサントの終わりの始まり?

 モンサントの除草剤グリホサートの5年間使用延長がEUで通ってしまうと、日本では「やっぱりダメだ」的な反応になってしまうのかもしれないけど、たぶん、今後の動きはまったくその逆になると思う。
 たとえば、オバマ政権の時、モンサントは農業歳出法の付帯条項でとんでもない条文を入れることに成功した。それは裁判所がたとえばモンサントの遺伝子組み換え大豆を禁止してもその決定に関わらず売り続けることをできるとするもの。裁判所の決定を無視するものだとして、民主主義を破壊するモンサント保護法だとして批判されたが、それが議会で承認されてしまった。敗北だ。しかし、逆に反モンサントの火が米国だけでなく、世界に大きく広がる機会になってしまったのだ。
 この決定に怒った運動経験もほとんどなかった一人の母親が提案したMarch Against Monsantoが世界に広がり、世界中で大きな運動になってしまった。モンサントからしてみたら、ちょっと過ぎたことをしたために、その何十倍ものしっぺ返しを受けたことになる。それを考えるとモンサントは大失敗したことになる。
 たとえばカリフォルニアでの遺伝子組み換え食品表示義務制度に関する住民投票でも遺伝子組み換え企業や食品企業は大金を投じて、表示制度を導入したら食品価格が大幅に上がるというウソのコマーシャルを流し続けて、住民を反対に誘導した。その結果、住民投票は敗北した。だけど、これがきっかけになって、人びとが遺伝子組み換えがスーパーの大部分に及んでいることを気がつくきっかけになって、遺伝子組み換え食品を避け、有機食品市場に向かう動きが強まった。
 結局、表面的には敗北なのだけど、それ以上に多くの人たちの行動を変えるきっかけとなっている。今回の承認も人口比65%以上の賛成が必要だったのだけど、取れたのは65.7%に過ぎない。ドイツを無理矢理賛成させることでぎりぎり通せた。投票したのはドイツ連邦食糧・農業省の役人。しかし棄権を賛成に変更することを農業相にさえ合意を得ていなかったと言われる。多くの人が立場を超えておかしいだろ、といわれざるをえないことをしてしまった。
 このような行動は人びとの怒りを買う。そしてそうしたことで承認を得ても、それを上回るしっぺ返しが待っているということになると思う。

 だからこれからの動きが楽しみだ。ただ、今の日本ではどうもこうした健全性が発揮されない。明かな不正が「適性に処理されている」と言われて押し切られようとしていて、さまざまな暴言も素通り、選挙ですべてはみそぎが済んだとあからさまに言われる。でも、いつまでもやられっぱなしで済むはずがない。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です