「セラードの人びと」が問う開発のあり方

昨年行われた「第7回セラードの人びと大会(VII Encontro e Feira dos Povos do Cerrado)」の短いドキュメンタリー。先住民族、キロンボーラ(黒人自立共同体キロンボの住民)、小農民、市民運動の人たちが集う。大きな会議であり、さまざまな歌、踊り、そしてセラードの自然の産物の市が多数立つ交換の場で、そのあまりに豊かな多様性に目を奪われる。

セラードはブラジル中央部に位置するサバンナ地帯。アマゾン、カアチンガ、パンタナル、アトランチカ森林の生態系を支える水源でもあり、世界でもっとも生物多様性の豊かなサバンナと言われるが、日本のODAによる大規模農業開発を皮切りに大規模農業開発が急激に進み、その生態系とその生態系の恵みで生きてきた伝統的住民(先住民族、キロンボーラ、小農民)は厳しい状況に追いやられている。

1992年リオの国連環境開発会議の時に結成されたRede Cerrado(セラードネットワーク)は昨年20周年を迎え、多くの小さな市民団体がつながり、政府に対する発言力も高まった。アグリビジネスによる破壊に対してセラードの人びとは声をあげている。

「セラードの森は生きた薬局」人びとの生命を支えてきたセラードの森を日本政府は不毛の大地と見なして、それを大豆やユーカリのモノカルチャーに変えたことを「奇跡の開発」として喧伝する。そして今モザンビークにその開発モデルを輸出しようとしている。

この開発の誤りをしっかり検証することを日本政府に求めたい。

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