兵庫県佐用町でのユーカリ植林騒動、BS-TBSの報道を見る

 兵庫県佐用町でのユーカリ植林騒動、BS-TBSが特集した。短い特集なので深さは望めないが、取り上げ方は悪くなかったと思う。
 
 この騒動の発端は佐用町が住民に一切何も知らせずにユーカリ植林の試験植樹を始めたことに始まる。町民が知ったのは植林が始まって半年以上経ってからの新聞報道がきっかけ。番組によると、町の計画は東京農工大学と町と金融機関が組んで、ユーカリを本格植林して、バイオマス発電所を作り、そこで発電するというものらしい。 “兵庫県佐用町でのユーカリ植林騒動、BS-TBSの報道を見る” の続きを読む

ヨーロッパと日本のタネ:どう違う? ドキュメンタリー“SEEDS OF EUROPE”を見て

 世界でタネが焦点になっていることを5月4日に長い投稿でまとめた。ヨーロッパ、EUでは2つの動きがあることを伝えた。一つは有機農家のタネの促進をめざす方向、もう一つは「ゲノム編集」の導入に向けた動きだ。
 
 でも文字ではなかなか伝わらない。前者の有機のタネに関するとてもいい短いドキュメンタリーがある。“SEEDS OF EUROPE”(34分)。アイルランド、ルクセンブルク、フランス、イタリア、オーストリアとチェコ共和国の農家を訪れ、タネの問題を浮き上がらせる。 “ヨーロッパと日本のタネ:どう違う? ドキュメンタリー“SEEDS OF EUROPE”を見て” の続きを読む

岸田首相のブラジル訪問:何しに行った?

 能登半島ではまだ水さえ不足しているというのに岸田首相はフランス・ブラジル・パラグアイ訪問。何しに行ったのか?
 
 4.11億円と拠出し、日・ブラジル・グリーン・パートナーシップ・イニシアティブ(GPI) を行うと約束した¹。「環境・気候変動対策及び持続可能な開発を軸として、日本の技術活用による協力を通じて戦略的グローバル・パートナーシップの一層の強化を図るもの」としているけれども、環境や気候変動の名の下に、それに反することをやるのがこれまでだっただけに、中身が気になる。 “岸田首相のブラジル訪問:何しに行った?” の続きを読む

タネの危機と解決策としてのタネ:世界で広がるタネの運動

4月26日は国際種子デー(International Seeds Day)で、世界中でさまざまな動きがあった。記念日ということを超えて、この動きは近年急速に大きくなっている。タネが危機であること、そして同時に世界で進む多重危機の解決策もまたタネから始まるからだ。 “タネの危機と解決策としてのタネ:世界で広がるタネの運動” の続きを読む

フィリピン控訴裁判所:遺伝子組み換えのゴールデンライスとBtナスの差し止め判決

朗報:フィリピン控訴裁判所は4月19日、遺伝子組み換えのお米であるゴールデンライスと遺伝子組み換えナス(Btナス)の栽培と流通の差し止めを命じた下級審の判決を支持し、安全性が確認できるまで、ゴールデンライス、Btナスに関わる宣伝含めた一切の活動停止を命じた¹。とても重要な判決。 “フィリピン控訴裁判所:遺伝子組み換えのゴールデンライスとBtナスの差し止め判決” の続きを読む

モンサント・バイエル・住友化学時代の終わり

 圧倒的な力のある勢力によってすさまじい勢いで社会が変わり、それにはもう、なすべき手はないように思えてしまうことがある。でも、現実から目を遠ざけてしまえば、その無敵であるかのような勢力は実は大きな問題を抱え、没落の恐怖に慄いていること、そして、実に醜い手を打って、その没落のシナリオから逃れることを許してしまう。希望は現実の中にある。それを見逃してはならない。
 たとえばモンサント・バイエル・住友化学がまさにその典型だ。世界でもっとも売れたモンサントの農薬ラウンドアップ(有効成分グリホサート)は、その有害性ゆえ、次々と禁止・規制の動きが世界で起きる。でもその動きを米国政府が圧力をかけて撤回させる。
 しかし、いくら圧力をかけても、ラウンドアップの現状は厳しい。耐性雑草が増えて、効力を失う。さらには多くの人に健康被害が出た。その動きに鈍感なバイエルがモンサントを買収したが、その結果、モンサントが抱えていた構造的な債務を引き受けることになる。ラウンドアップ訴訟で16万7000件もの訴訟が起こされ、バイエルはすでに多額の賠償金の支払いを余儀なくされたばかりか、今なお5万件を超す訴訟に直面している。バイエルの株価は7割下落し、リストラを余儀なくされている。 “モンサント・バイエル・住友化学時代の終わり” の続きを読む

農水省の食品安全性に関する有害化学物質・微生物調査について

 農水省が26日、今年度の「食品の安全性に関する有害化学物質及び有害微生物のサーベイランス・モニタリング年次計画」を公表した¹。

 特定の重金属、化学物質、微生物(カビ毒、ウイルス)などに関して、対象を限定して、食品の実態調査を行うものだ。
 注目するのは、お米の他に、ハチミツや飼料に含まれるカドミウムやヒ素が対象になり、またPFASも対象に上げられていることだ(対象となるのはPFOS、PFOA、PFNA及びPFHxSの4種類)。 “農水省の食品安全性に関する有害化学物質・微生物調査について” の続きを読む

遺伝子組み換え生物の規制緩和を進める日本、米国では訴訟に

 明日が締切の内閣府食品安全委員会の遺伝子組み換え食品に関するパブコメを前に、意見表明します。
 遺伝子組み換え企業の行き詰まりが2015年以降、深刻になっています。世界の市民が遺伝子組み換え食品を拒否したこと、遺伝子組み換え作物の栽培が農家にとってもメリットがないことが明らかになったこと、そして環境に多大な影響を与えていることを考えれば、その事態は当然のことと言えます。あらゆる面でデメリットの明らかになった遺伝子組み換え農業を終わらせる時です。 “遺伝子組み換え生物の規制緩和を進める日本、米国では訴訟に” の続きを読む