化学肥料による被害

 化学肥料を与えることが土壌の微生物の活動を困難にさせ、植物を病気になりやすくし、農薬使用が必須となる。しかし、化学肥料がもたらす問題は農薬使用を招くだけではない。
 化学肥料で生み出されている問題を見てみよう。使用される化学肥料でもっとも量の多いのが合成窒素肥料。土壌細菌が生きられる環境では根粒菌が直接、植物の根に寄生し、直接、植物に窒素を提供してくれる。その窒素は植物に直接適量が吸収される。ところが化学肥料で窒素を提供した場合、作物が窒素を過剰摂取したり、あるいは吸収されないものは水で容易に流されてしまう。 “化学肥料による被害” の続きを読む

アルゼンチンでのモンサント法案との闘い

植物は土壌微生物との共生関係を作り出し、自身が成長するだけでなく、多様な生命の生きられる環境を作り出す。しかし、第2次世界大戦で莫大な量が作られた爆弾の原料である窒素化合物が戦後、化学肥料として世界の農地にばらまかれていく。その延長線上に遺伝子組み換え農業が出てくる。そして、遺伝子組み換え企業は世界の種子市場の独占をめざし、今やわずか4社が世界の種子市場の7割を独占するに至る。 “アルゼンチンでのモンサント法案との闘い” の続きを読む

チリでのTPP・モンサント法案との闘い

チリ下院がTPP11参加を承認、しかし、市民はこれを憲法違反として訴訟へ。

 4月22日、チリ下院は賛成77、反対68でTPP11参加を承認。この後、上院での審議になるが、上院は下院以上に保守的であり、チリのTPP11参加がほぼ確定的となったとみざるをえないのだろう。(1) “チリでのTPP・モンサント法案との闘い” の続きを読む

種苗法があぶない

 種子法廃止問題についてはかなり注目が集まっているが、もう1つの法律、種苗法が大幅に改悪されつつあることにも注目する必要がある。なぜなら、この2つは1セットで見る必要があるからだ。この2つに共通するのは人びとの共有財産としての地域の種子を制限し、民間企業の利益を優先するという方向と言える。
 種苗法改悪の方法は2つある。1つは法を変えずに運用を変える方法であり、もう1つがずばり法そのものを変える方法。前者は種子法廃止が決定された2017年以降、急ピッチで進んでいる。 “種苗法があぶない” の続きを読む