昨年行われた「第7回セラードの人びと大会(VII Encontro e Feira dos Povos do Cerrado)」の短いドキュメンタリー。先住民族、キロンボーラ(黒人自立共同体キロンボの住民)、小農民、市民運動の人たちが集う。大きな会議であり、さまざまな歌、踊り、そしてセラードの自然の産物の市が多数立つ交換の場で、そのあまりに豊かな多様性に目を奪われる。
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ブラジルと日本ー変わるべき関わり
過大評価と言われてしまうかもしれないが、日本はブラジルのあり方に大きな影響を与えたと考えよう。現在のブラジルでの市民生活の中で日本の影響は、少なくとも日本政府や企業の影響力は微々たるもので影響を与えているなどとはまったく感じられない。ブラジル社会で人目に付くのは日本企業ではなく韓国企業だし、貿易で存在感のあるのは中国だ。 “ブラジルと日本ー変わるべき関わり” の続きを読む
セラード開発プロジェクトとモザンビークのProSAVANA
セラード開発は日本では「奇跡の成功」などと言われる。確かに入植者を拒んできた厳しい自然に打ち勝って大規模農業を発展させたということは事実だし、この間の穀物生産高でその成果を図るのであれば、それは確かに成功だったと言えるだろう。
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セラード開発を問う
日本とブラジルの関係を考える時、セラード開発問題を避けて通ることはできない。セラードとはブラジルの中央部にあるサバンナ地帯だ。この地帯で日本政府は政府開発援助(ODA)を使って大規模な農業開発を行ってきた。
しかし、このセラード開発をめぐる問題は日本の中で十分伝わってきていない。そこでこの問題について簡単にまとめてみた。 “セラード開発を問う” の続きを読む
全国農民連合プロサバンナ事業に関する声明
現在、日本のJICA、ブラジル、モザンビークの3者によるモザンビークの大規模開発計画プロサバンナが進められている。しかしこの計画には大きな疑問が突きつけられている。モザンビークの農民連盟は以下のような声明を発表した。モザンビークやアフリカの開発問題に取り組む方々の手で翻訳されたので、そのまま紹介させていただく。
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ブラジルの農業開発とアフリカ
南米で猛威を振るっているアグリビジネスモデルをアフリカに移植しようという動きがあります。
JICAが資金を出し、ブラジルがノウハウを提供し、モザンビークなどに大規模農場を作るという話ですが、その前にブラジルでのJICAの行った開発が何であったかをまとめて話をする予定です。
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バイオパイラシー問題を考える:セラードでの生物多様性保全の取り組み
南の豊かな生物資源を北の企業が自分の発明として特許を申請してしまい、その独占的使用権を得てしまうというバイオパイラシー、次の例はブラジルのセラードでの活動。 “バイオパイラシー問題を考える:セラードでの生物多様性保全の取り組み” の続きを読む
Rio+20: 日本政府のセラード開発のセミナーに対する懸念
Rio+20に平行されて開かれるイベントで日本政府の主催でセラード開発に関するセミナーが開かれるようだ。セラードはブラジル中央部のサバンナ地域だが、日本政府は「不毛の大地」と決めつけ、この地で大規模大豆生産を進め、確かにこの地域は大穀倉地域となった。しかしその社会的、環境的対価は小さなものではない。
セラード地域は決して不毛の大地ではない。世界に他にない生態系がここにあり、未だ十分解明されていない。アマゾンやパンタナル湿原の水源でもある。しかし、広大な森林が開発によって失われ、土壌や水源の崩壊など少なからぬ被害が出ている。アマゾンの渇水を懸念する声もある。
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