混乱の国家に代わり地方自治体の食の政策が進化

 米国の連邦議会が乱入・占拠されたのとほぼ同時に日本では緊急事態宣言。どちらも危機的なまでの政治の形骸化、麻痺を印象づける。悪い動きは国を超えて連動していて、パリ合意から離脱した米国トランプ政権を盾に、ブラジルのボルソナロ政権はアマゾン、セラード、パンタナルという重要な生態系の破壊・農地・鉱山開発を加速。かつてない速度で環境が破壊されている。人類の生存がより危険に。安倍前政権はそのボルソナロ政権を積極的に支援してきた。
 こうした動きばかりに目を奪われていると絶望以外ないように思えてくる。政府は多国籍企業の代弁者となり、次から次へと彼らのために規制緩和し、人びとの権利、公共財産は奪われる動きのオンパレード。しかし、そんな中、マスコミにはまず流れないが、希望を持てる動きも実は大きく広がってきている。
 ブラジルのアグロエコロジー全国連絡会議(Articulação Nacional de Agroecologia、ANA (1))はブラジルでアグロエコロジー(2)の普及に向けて活動し、ブラジル政府に小農を基盤とするアグロエコロジー政策を採用させるまでに成果を上げてきた。ボルソナロ政権になって、その政策は大きく歪められてしまったけれども、その政策はすでに地方自治体に根を下ろしている。 “混乱の国家に代わり地方自治体の食の政策が進化” の続きを読む