フィリピン最高裁、遺伝子組み換え稲、ゴールデンライスを止める令状

 朗報:フィリピン最高裁は4月18日に遺伝子組み換え稲であるゴールデンライスと遺伝子組み換えナス(Btナス)の商業栽培を止めるカリカサン令状を発した(1)。
 このゴールデンライスはフィリピンに本部のあるIRRI(国際稲研究所)で開発されていたもので、一時は開発破綻の状態にあったがビル・ゲイツの投資によって持ち直し、すでに2021年に栽培が承認され(2)、商業栽培はすでに始まっていて、学校でもそれが振る舞われているとのこと。この状況に対して、農民と学者の連帯ネットワークNGOであるMASIPAGなどが、この商業栽培の差し止めを求めて訴えていた。
 このカリカサン令状とは健全な環境についての憲法上の権利の保護を提供するフィリピン法に基づく法的救済策とのことで、どこまでの効力があるのかわからないが、法的には止まる根拠ができたことは大きな勝利だと言えるだろう。 “フィリピン最高裁、遺伝子組み換え稲、ゴールデンライスを止める令状” の続きを読む

遺伝子組み換え企業が作るウソ:「ゴールデンライスは命を救う」

 ウソの情報を流して、人びとを混乱させることは、気候変動も典型だが、遺伝子組み換え関連でも激しい。遺伝子組み換えでは一番、古典的なのがこのゴールデンライスに関するデマだろう。つまり、「ゴールデンライスは発展途上国のビタミンA不足を救うために作られたのに、遺伝子組み換えに反対するものたちによってその栽培を阻まれている。環境運動は救えた命を死に追いやった」というもの(1)。 “遺伝子組み換え企業が作るウソ:「ゴールデンライスは命を救う」” の続きを読む