世銀:化学肥料の神話は終わった

 かつて解決策だと信じられてきたことがそうではないことがわかっても、なかなかその神話を捨てられないことがある。農薬は世界の農業を解決すると思っていた人は多かっただろう。でも、今、世界は脱農薬に進みつつある。
 農薬について関心は高くても化学肥料については関心はまだ高くない。でも化学肥料が実は問題が生まれる起点となる。そして化学肥料が環境や健康を破壊していることを知っている人はまだ少ないのかもしれない。

 あの世界銀行(世銀)は化学肥料の利用をこれまで世界に大々的に推進してきた。その世銀が今やその危険を公言する事態になっている(1)。 “世銀:化学肥料の神話は終わった” の続きを読む

EUが禁止した農薬を世界で一番輸入する日本

 ヨーロッパは世界の環境先進地域として有機農業の割合も高い上に、それを現在大幅に高めようと各国政府が務めている。使われている農薬や化学肥料も全体としてさらに大幅に減らす計画が立てられている。さすがである。
 ところが、このヨーロッパが偽善的であるとして、ヨーロッパの市民団体によって告発されている。なぜならば、危険過ぎるということでヨーロッパで使用が禁止されている農薬をヨーロッパの化学企業が製造し、世界に輸出しているからだ。自分のところでは危険過ぎて使えないけど、他のところであればいい、として作って売ってしまうという偽善性。
 そして、世界のどこがヨーロッパの禁止している農薬を一番輸入しているかというと…、 “EUが禁止した農薬を世界で一番輸入する日本” の続きを読む

化学肥料による被害

 化学肥料を与えることが土壌の微生物の活動を困難にさせ、植物を病気になりやすくし、農薬使用が必須となる。しかし、化学肥料がもたらす問題は農薬使用を招くだけではない。
 化学肥料で生み出されている問題を見てみよう。使用される化学肥料でもっとも量の多いのが合成窒素肥料。土壌細菌が生きられる環境では根粒菌が直接、植物の根に寄生し、直接、植物に窒素を提供してくれる。その窒素は植物に直接適量が吸収される。ところが化学肥料で窒素を提供した場合、作物が窒素を過剰摂取したり、あるいは吸収されないものは水で容易に流されてしまう。 “化学肥料による被害” の続きを読む

アルゼンチンの若者の叫び “出てけ モンサント”

アルゼンチンで進むモンサントの巨大な遺伝子組み換え種子工場の建設を止めるために、住民たちが座り込みの闘争を始めてから3ヶ月がたった。

この間に座り込む人びとに暴行、脅迫が加えられた。特に娘を亡くしてモンサントの遺伝子組み換え大豆の耕作による害を調べ、農薬の空中散布の規制を実現して、ゴールドマン環境賞を受賞したソフィア・ガティカさんには殺害脅迫まで届いている。しかし、誰としてひるむことなく、抵抗は続いている。

この抵抗に若者の音楽グループ、ペロ・ベルデが “モンサント 出てけ” という素晴らしい音楽で若者を鼓舞する。まずはご覧いただきたい。 “アルゼンチンの若者の叫び “出てけ モンサント”” の続きを読む

米国では枯れ葉剤耐性遺伝子組み換えの再調査

たびたび書いてきたが、日本政府が米国政府よりも早く遺伝子組み換えを承認する、という動きが生まれている。開発した米国企業の本国でその危険性ゆえに国中の論議となり承認がされていない枯れ葉剤耐性遺伝子組み換えが日本ではその使用(栽培・食用・飼料用)が認められているのだ。
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遺伝子組み換えと健康被害の関連

米国での健康と遺伝子組み換え作物およびその除草剤の相関関係に着目した記事がとても印象的だった(Nancy Swanson ”Data trends show correlation between increase in organ disease and GMOs”)。英語で書かれているため、日本語で紹介する記事を書きたいと思ったけれども、この記事のインパクトは米国でのガンや糖尿病と遺伝子組み換え大豆やトウモロコシの栽培量の増加を比べたグラフにあり、そのグラフはライセンス料を払わないと使うことができない。しかし、元になるデータはパブリックドメインであるために元データを使って構成してみた。下記の文章は元記事を参考に書いているが、元記事の翻訳ではない(グラフもまったく同じデータを探せなかったケースもあるので微細な違いがある)。

遺伝子組み換え作物とさまざまな疾患の数の推移をグラフ化したものだ。
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ジカンバ耐性遺伝子組み換え大豆などへの私のコメント

農水省によるジカンバ耐性など遺伝子組み換えの飼料の安全性に関するパブリックコメントの締め切りが4月2日に迫った。モンサント社によるジカンバ耐性遺伝子組み換え大豆、モンサント社による除草剤グリホサート耐性セイヨウナタネ、シンジェンタ社による害虫抵抗性トウモロコシの3つをまとめてコメントを求めるものである。

ここではジカンバ耐性大豆の問題に焦点を当てて私のコメントを書いてみた。なお、このページ上にある遺伝子組み換えの危険を指摘する資料ページへのリンクは送付するコメントには字数制限のため、別送している。

パブリックコメントの趣旨や投稿先のリンクはこのページの末尾にまとめた(こちらは終了済み)。

2013年6月21日追記:さらに新たにジカンバ耐性大豆のパブリックコメントが始まった。こちらの期限は7月20日。こちらの詳細は農水省プレスリリースへ。この記事の対象の大豆との違いはこの記事の大豆がジカンバ耐性だけなのに対して、さらにグリフォサート(モンサントの農薬ラウンドアップの主成分)耐性も兼ね備えているということであり、下記の記事の内容は有効であると考える。

背景事情などは別記事にまとめたのでご参照いただければ幸い

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