在来種の野草を育てることの意味

 ミツバチも、鳥も激減している。国連関連組織もあと30年で100万種の生物が絶滅すると警告している。30年後に突然それはやってくるのではなく、毎日数多くの生物がすでに姿を消しつつある。このままでは人類にとっても生存はさらに危機的になる。
 でもこのシナリオは変えることができる。その最も有効な手段の1つが家庭菜園。庭やベランダでその地域在来の野生の草花を育てることがとてもいいという。草ならなんでもいいじゃない、チューリップの方がきれいだし、というわけにはならない。というのも多くの昆虫は特定の植物でしか生きていけない。たとえば北米を象徴するオオカバマダラという蝶は現在、絶滅の危機に瀕している。その原因は米国で大量に撒かれるモンサント(現バイエル)のラウンドアップがオオカバマダラの幼虫が食べるミルクウィード(トウワタ)を枯らせてしまうので餓死してしまうからだ。
 だけど、逆にこのトウワタをオオカバマダラが産卵する地域の家庭菜園で栽培してあげれば絶滅を防ぐことができる。だから、家庭菜園はその地域の生物多様性を守るオアシスになりえる。農薬使わない野生の草花を育てる人は彼らの守り手、ヒーローになれるということ。 “在来種の野草を育てることの意味” の続きを読む

ブラジル:在来種を守る条項はいかに生まれたか?

 ウイルス感染症は人間や家畜だけでなく、植物もターゲットになる。作物の多様性を失えば、作物が全滅する、そんな脅威に直面する。

 実際にアイルランドで19世紀に悲劇が起きている。ジャガイモが菌病にやられ、ほとんど全滅。同じ品種だけ大量栽培していたことが原因。そのために多くの貧農が食べていけなくなり、2割が餓死、2割が国を捨てて移民せざるをえなくなった。

 何がその後の救いとなったかというと、ジャガイモの原産地の南米にはきわめて多様なジャガイモが存在していたこと、その多様な生物資源を使うことでその後は難を逃れることができたこと。つまり、ヨーロッパの人びとは南の地域の生物多様性に助けられたということができる。生物多様性を守ることはそうした脅威から命を守ることにつながる。 “ブラジル:在来種を守る条項はいかに生まれたか?” の続きを読む

インドの「種子の母」に国際的な賞

 急速に種子企業の独占が強められ、各国の種子制度が変えられようとする中で、抵抗も生まれていて、そして大きな成功もあげている。インドの少数民族の女性が伝統的な種子を復活させ、インドの「種子の母」といわれるに至った、その活動を収めた3分の短編映画がカンヌの賞を受賞した(1)。 “インドの「種子の母」に国際的な賞” の続きを読む