食のPFAS汚染、肉で25万倍の汚染検出

 食のPFAS汚染は今後、世界が直面する大きな問題にならざるをえない。汚染企業の責任追及と共に早急に取り組まなければならないのは下水汚泥肥料の規制だ¹。
 
 米国では下水汚泥を肥料の原料にすることが盛んに行われたがその結果、800万ヘクタールの農地がすでに永遠の化学物質と言われるPFASに汚染されてしまったという。下水の中にPFASが紛れ込み、それが肥料の中に入って、農地を汚染してしまう。その結果、特に問題なのは家畜の飼料にPFASが入り込み、家畜の体の中で生物濃縮されてしまう。だから畜産物のPFAS濃度が危険なレベルに上がってしまう。 “食のPFAS汚染、肉で25万倍の汚染検出” の続きを読む

食料・農業・農村基本法改正案は飢餓輸出を招く

 食・農業の憲法と言われる食料・農業・農村基本法改正案が昨日衆議院通過。なぜ、農業が限界状況迎えているのに、政府は抜本的な手を打たないか、要するに日本という国が米国へのコバンザメ国家で、米系多国籍企業へのコバンザメ企業が政治を仕切っているから。 “食料・農業・農村基本法改正案は飢餓輸出を招く” の続きを読む

兵庫県佐用町でユーカリ植林? 杜撰な計画は見直しを!

ユーカリの大規模植林は世界各地で環境や社会に甚大な影響を与え、大問題になっている。その植林はこれまで熱帯地域が中心で、日本でユーカリ大規模植林をするという話は聞いたことがなかったのだけど、日本の兵庫県佐用町で最大東京ドーム3個分に相当する15haのユーカリ植林をするという計画が進んでいるという。
 
 ユーカリ植林になぜ世界で反対が強いかというと、ユーカリはオーストラリアの乾燥した地域で自生している分は問題ないのだが、水を吸い上げる力が極めて強い。乾燥地域ならユーカリくらいしか生きられないから問題はないのだが、そうでない地域でユーカリを大量に植えれば、水がユーカリに奪われてしまう。川の水量が激減し、湖の水が干からびたケースもある。農業は水が減るので大打撃を受ける。 “兵庫県佐用町でユーカリ植林? 杜撰な計画は見直しを!” の続きを読む

「あきたこまちR」は暑さで20〜30%減収になる?

 分子生物学者河田昌東さんが3月29日東京集会にて、OsNramp5遺伝子を破壊された稲は暑さに弱く、2割から3割の減収になったという中国の研究を3月29日東京集会で紹介されたが、この件はとても重大なものだ¹。というのも「あきたこまちR」も「コシヒカリ環1号」も重イオンビーム放射でこのOsNramp5の1塩基を破壊しているからだ。 “「あきたこまちR」は暑さで20〜30%減収になる?” の続きを読む

半世紀前のカドミウム対策のアップデートを

 反公害運動は1970年の公害国会で多大な犠牲の上に世界に先駆けて汚染企業の責任原則を法制化するという金字塔を打ち立てた。しかし、その後の政治はそれを形骸化させた。新たな汚染が進もうとする今、この意義を再確認する必要がある。 “半世紀前のカドミウム対策のアップデートを” の続きを読む

PFAS汚染された農地をどうする?

 誰もが生きるなら汚染のない世界で生きたい。でも、今の世界は汚染が進み、人のいない極地地域でも汚染は発見される。この汚染された世界でどう生きたらいいのか。世界の命をこの汚染からどう守ればいいのか、汚染を減らすにはどうすればいいのか?
 
 言うまでもなく、まず汚染の進行を止めること。汚染物質を禁止し、汚染させた企業、軍などの組織に責任を取らせること。
 でも汚染されてしまった農地はどうするのか。放射性物質、カドミウムやヒ素などの重金属、ラウンドアップ(グリホサート)などの農薬、さらにはPFASなどによって汚染されている農地がある。まったく汚染されていない農地はないだろう。大なり小なり、この汚染された農地からどう安全な食を確保するのか、考えなければならない時代に入っている。 “PFAS汚染された農地をどうする?” の続きを読む

米国では下水汚泥肥料が訴訟に!

 ついに米国では下水汚泥肥料はPFAS汚染で訴訟や犯罪捜査対象に。下水汚泥肥料を奨励している農水省や国交省もそのキャンペーンをやめ、規制に乗り出す必要がある。
 
 下水汚泥肥料を認めている環境保護庁(EPA)に対して訴訟が起こされた⁽¹⁾。訴えたのは環境責任を求める公務員(Public Employees for Environmental Responsibility, PEER)という団体と農家で、EPAが下水汚泥肥料の中の永遠の化学物質と言われるPFASの規制を怠ったとしている。
 実際、米国では800万ヘクタールの農地がすでにPFASに汚染されていると言われ、メイン州では下水汚泥を肥料に使うことをすでに禁止している。そして、テキサス州ではPFASに汚染された下水汚泥肥料を販売していた肥料会社Synagro社に対する犯罪捜査が開始されている。 “米国では下水汚泥肥料が訴訟に!” の続きを読む

合成乳製品が続々と:本当の食を守れるか、今は分岐点

 本当の食を守れるか、それとも遺伝子操作された合成食が本当の食を駆逐してしまうのか、今はその分岐点。合成生物学や細胞培養によって作られた合成ミルクが急速に製品化されつつある。でも、その安全性は極めて疑問。合成ミルクから自然界に存在しない物質が検出されている。このままいけば、企業に独占される食によって、私たちは奴隷化されてしまうかもしれない。
 フードテックと言われる技術のうち、細胞培養肉はコストや市場の拒否感もあって、スタートアップ企業が相次いで破産状態だが、一方で乳製品の代替の分野では大手が製品化を続けており、合成生物学とともに、今後、生産を急激に拡大する可能性があり、このままでは本当の乳製品を作る畜産業がさらなる打撃を受けてしまう可能性がある。 “合成乳製品が続々と:本当の食を守れるか、今は分岐点” の続きを読む