モンサント/バイエル、ラウンドアップ裁判でさらに敗北

 もう1つ朗報 モンサント(現バイエル)の除草剤ラウンドアップによって非ホジキンリンパ腫(血液のガン)となったとして訴訟したハードマン氏に対する裁判でバイエルに8000万ドルの賠償金を命じる判決(後に2500万ドルに減額。約27億3500万円)を無効として異議を申し立てていたバイエルの訴えを棄却!
 
 バイエル側は米国環境保護局の承認を盾に、旧モンサント社の責任は免除されるべきと主張し、危険を警告すべきとする州法に連邦政府の決定は優先されると主張したが、米国控訴裁判所はその訴えを全会一致で棄却した。
 
 最初に賠償を勝ち取ったドウェイン・ジョンソン氏に続き、今後の訴訟の方向も決定づけられるだろう。すでに同様の非ホジキンリンパ腫をラウンドアップによって患ったとして訴えている人の数はすでに10万人はいると見られている。
 
 これまで日本ではラウンドアップの被害を報道するとすぐに農薬村から攻撃が加えられて沈黙を余儀なくされてきた。政府が安全としているものを危険と報じるとは何事だ、という論調で。でも、それが明確に米国の裁判によって、もはや許されないという判決が出たわけだ。今後は日本のマスコミも臆することなく報道してもらいたい(その前からやってたらかっこよかったけどね)。
 
 しかし、現在、訴訟で注目されている非ホジキンリンパ腫はラウンドアップが引き起こす健康被害の1つに過ぎない。これ以外の健康被害、たとえば自閉症・発達障害、呼吸器疾患、自己免疫疾患、不妊、さまざまな臓器疾患に関しては立証の困難さなどもあって、訴えることはできていない。その犠牲者を含めれば世界でどれだけの数になっているだろうか。まさに氷山の一角に過ぎないことを忘れてはならない。スリランカでは農業労働者が慢性腎不全によって万単位で命を失っており、スリランカ政府はその原因をラウンドアップ/グリホサートであると見なして、禁止を決めた。
 
 このグリホサートは今年度末から日本でも再評価に入る。決して再承認など許してはいけない。再評価前にホームセンターでの不売、地方自治体での不使用を実現していくべきだろう。
 

Appeals Court Affirms Historic Roundup Cancer Plaintiff Victory Against Monsanto
https://www.centerforfoodsafety.org/press-releases/6366/appeals-court-affirms-historic-roundup-cancer-plaintiff-victory-against-monsanto

Another loss for Bayer over Roundup cancer claims as appeals court shoots down preemption argument
https://usrtk.org/monsanto-roundup-trial-tracker/another-loss-for-bayer-over-roundup-cancer-claims-as-appellate-court-shoots-down-preemption-argument/

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