南の国での種苗委託栽培労働の実態:インド、ネパール

 日本の野菜の種子は9割は海外産という。日本の種子企業が海外で生産しているということなのだが、その生産の実態はどうなっているだろうか? 今、種苗の開発は本国で行うけれども、それを増殖させるのは南の国々で行うというのは他の国でも行われているようだ。特にオランダにはそうした企業が集まる。北で開発された種苗を南で増殖する、その南の国々、インド、ネパールでの種苗増産に取り組む労働者の状況に関するWebinarが開催された。その実態は大いに憂慮すべきものであることがわかった。

 まず、その労働の担い手のほとんどが零細農家や農業労働者。種苗生産はかなりの熟練を必要とする労働であるのだが、オランダとその労働者たちの間は仲介会社が仕切り、本社と労働者の直接契約は存在しない。そして、仲介会社と労働者との契約も口約束がほとんど。最低賃金すら下回るケースが多く、さらに女性の賃金は低く抑えられている。ネパールには存在しないようだが、インドでは児童労働のケースもある。すべて北の企業がそうしているわけではなく、直接契約を結び、労働条件も比較的守られているケースもあるが例外的。
 
 このような種苗の委託労働は近年、急増しており、賃労働のあてが少ない南の国では条件が悪くとも受けざるをえない現状がある。それにつけ込んで安く作らせているとしたら? インドなどの南の国々の人びとも自分たちの食のための種苗を作りたいだろう。でも彼ら彼女らの仕事の成果の多くは外国に行ってしまう。農薬の使用も多く、健康被害も気になる。十分な防護策は与えられているだろうか? まだ労働組合などの組織化は始まったばかり。

 今回のケースはオランダのケースなのだが、オランダの市民団体も関わって調べている。9割海外に依存する日本も、どう種苗が生産されているか気にする義務があるだろう。直営農場ですべてが作られていて、労働組合など働く人たちの権利が保障されていればいいが、委託の場合にはオランダのようなケースが出ていないか。南の国々の人びとの犠牲の下にわたしたちは毎日の食を食べていないか。

 なにより気候変動が進み、土壌の崩壊も進んでいけばよその国に種苗を依頼することもできなくなる。このことをもっとわれわれは考えていく必要があると思う。

Asian Peasant Coalition:APC’s webinar on the State of Farmworkers in Nepal and India
https://www.facebook.com/watch/live/?v=248604463547120&ref=watch_permalink

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