「ゲノム編集」トマト、種苗法改正案成立直後に

「ゲノム編集」されたトマト、国に販売に向け相談をしたとの報道。実際の販売はまだ先になるとしても、国内でいよいよ遺伝子操作食用作物の栽培が始まってしまうかもしれない。
「ゲノム編集トマト、販売へ準備ー国に事前相談、初の実用化か」

 この「ゲノム編集」作物のパターン、今後、増える可能性が高い。大学や農研機構などの研究機関で税金使って基礎研究やって、そして売る時には民間企業が販売。

 種苗法改正が成立したところで、発表というこのタイミング。実にうまくできているね(褒めてなくて怒っている)。

 「ゲノム編集」は確かにノーベル賞も取ったくらい、遺伝子の機能を調べることで生命の進化も、病気の原因も確かめることができるという画期的な技術ではある。しかし、それは研究室の中に留めるべき技術。遺伝子破壊された生命体を環境に放出すれば取り返しのつかない問題に発展する怖れは存在している。

 そして、さらに悪いことに、政府はこの「ゲノム編集」食品の安全テストをしていない。していないにも関わらず、自然で遺伝子が壊れたのと同じとみなして、安全だろう、ということで表示もせずに売ってかまわない、としている。

 もっとも、この「ゲノム編集」トマトは届け出される。問題はこの後だ。この「ゲノム編集」トマトを親に品種改良した品種は届け出すら不要と農水省は言う。それならばもうまったく「ゲノム編集」であるかどうかわからなくなる。日本の食のトレーサビリティが崩壊してしまう。

 これに対して対抗策としては種苗の独自認証を作る方法はありうる。種苗だけでなく、その後の加工品含めてすべての独自認証システムを作り上げることで対応することはできる。新たなルールを作れるか、この1年の取り組みが勝負かもしれない。将来の世代にこんな危険は負わせられない。

 本当に次から次へと問題が続く。でもこれらの問題はみなつながっている。そのつながりを追うことで、人のつながりもできてくる。それはこの悪循環を止める力となっていくだろう。

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