アマゾン破壊と日本(その7)EUで高まる保護を求める動き

 EU諸国はアマゾン破壊を進めるボルソナロ政権に圧力をかけている。さらにEUとの自由貿易協定を止めようという市民や環境・人権派の欧州議会の議員たちの動きも始まっている。

 アマゾンの森林破壊に対して、ボルソナロ政権は重大な責任がある。この破壊が急速に高まったのはボルソナロ大統領就任が決まって以降のことだ。
 2004年から2012年まで労働者党政権の時には政府の政策によって、森林破壊対策が進み、史上最低レベルにまで抑えられていた。しかし、ボルソナロ大統領はアマゾンの開発を公言し、森林破壊を止めるための予算を大幅削減。その姿勢がアマゾン破壊を急速に早める結果となった。この事態に対して、ブラジルの政府機関IBAMA(ブラジル環境・再生可能資源院)の職員たちは今、公開書簡を発表し、政府が適切な手段を講じることを求めている(1)。
 世界からの圧力がかかる中、ボルソナロ政権はEUからの森林火災対策緊急援助を拒否、議会では憲法で保障された先住民族の権利が攻撃されている現状がある(2)。背後にいるのはアグリビジネス(大土地所有者、遺伝子組み換え企業、穀物商社など)や鉱山開発企業。森を守ってきた先住民族が追い出されればその森の命が終わるかもしれない、そんな瀬戸際にある。危機に曝されているのは「森の民」であり、それで利益を得るのは多国籍企業である。ブラジル各都市でボルソナロ政権に反対するデモも活発に行われている。

 EUと南米4カ国からなる南米南部共同市場(メルコスール)のアルゼンチン、ブラジル、ウルグアイ、パラグアイは自由貿易協定の合意に先日こぎつけたばかりだが、この協定には気候変動のパリ協定を尊重する義務が含まれている。それを受けて、ブラジルがアマゾン保護に動かないのであれば、フランス、アイルランド、ルクセンブルグが合意に署名しないと発言し、フィンランドはブラジルからの食肉の輸入停止を主張している(3)。

 EUとメルコスールの自由貿易協定が成立すればブラジルから食肉や大豆、鉱山資源などの輸出がさらに促進され、アマゾンはさらなる破壊の危険にさらされる。欧州議会に貿易協定締結の停止を求めるオンライン署名が始まっている(4)。

 一方、この騒ぎの最中、日本の川農相は25日、26日とブラジルを訪問し、さらなる農業開発のためのインフラ整備などについてブラジル農務相と協議しているという、恥ずかしい現状にある(5)。本当に同時代を私たちは生きていると言えるのだろうか? 日本からもこのオンラインに参加しつつ、日本でもできることを考えてみたい。

(1) 環境保護を行う政府の機関Ibamaの職員らによる公開書簡
Carta aberta ao Ibama e à sociedade brasileira

(2) 先住民族の土地での農業・鉱山開発を非先住民族が可能にするという法案、ぎりぎりのところで止まったが、憲法改悪に向けて動きは止まっていない。
PEC 187 é aprovada em Comissão da Câmara, mas sem arrendamento de terras indígenas a fazendeiros

(3) EU諸国の動向
Luxemburgo declina acuerdo con Mercosur si Brasil desatiende Amazonía

(4) EU-メルコスールの自由貿易協定を止めるためのオンライン署名(日本からも可能)
Save the Amazon forest

(5) 農林水産大臣の海外出張の概要について(ブラジル:第4回日伯農業・食料対話関連)

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