ブラジルで広がる農家の種子(クリオーロ種子)

 世界各国で、農家の種子の権利が奪われ、多国籍企業の種子が押しつけられる動きが活発化している中で、ブラジルはまさにそのただ中にある国だ。たびたびの債務問題で混乱状況にあったアルゼンチンで1996年、遺伝子組み換え大豆の栽培がほとんど議論もなく、どさくさに紛れて合法化され、モンサントの遺伝子組み換え大豆の栽培が始まってしまった。モンサントはブラジル政府にも合法化を要求し、政府は答えてしまうが市民団体が裁判に訴え、その栽培はブラジルでは禁止される。しかし、アルゼンチンから非合法化に持ち込まれ、既成事実化され、無理矢理に2005年合法化されてしまう。
 遺伝子組み換えでないトウモロコシのタネをえることは難しくなった。しかし、農民たちは抵抗を続け、生態系を生かしたアグロエコロジーを拡げることで政府も無視できない力となり、政府も政策に取り入れることになる。その中で、農家の種子の権利は柱になるもの。2003年の種子法では農家が持つ種子(クリオーロ種子)は種子法の適用除外となり、農家が自由に保存、共有、販売ができるようになる。
 そして、政府の食料調達計画(PAA)の中で、政府は農家の種子を買い上げ、その普及に一役を担うことになった。こうして多国籍企業の種子の攻勢の中で、農家の種子が広がる仕組みを作った。
 残念ながら、この数々の進歩的政策の実現を果たしてきた労働者党政権はマスコミによるクーデタともいうべきもので崩壊し、この政策もまた影響を受けてしまうことが懸念されているが、予算は大幅に削られているものの、取り組みは各地域で根をはり、着実に成果を上げているようだ(地域によってかなり差が出ているとは思われるが)。

 ブラジルの例は世界にとっても重要な成功例の1つとして注目すべきだろう。

Sementes crioulas de Alagoas são vendidas para os governos federal e estadual
http://www.asabrasil.org.br/noticias?artigo_id=10481

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