コスタリカの種子を守る闘い

 「自由貿易協定」の本質が何にあるか、はっきりわかる。その本質とは多国籍企業による生産の「支配」。
 コスタリカの新たな苦悩は2004年5月に調印された「米国・中米・ドミニカ共和国自由貿易協定」に始まる。この自由貿易協定によってコスタリカは2009年UPOV1991年条約加盟国となる。この条約は人びとの種子の権利を損なう。
 2008年にはこっそりとこのUPOV1991年条約に沿った形でコスタリカの種子法改悪案が出る。それは政府に登録された種子だけが市場に出すことを許され、農民が育ててきた種子を市場に出せなくするもので、さらに種子行政を行う国立種子局が独立性を失い、民間企業が直接影響を与え、民間企業の種子のセールス機関に変更させるものだった。しかし、小農民、先住民族、環境保護運動による反対運動でそれはつぶすことができた。
 2012年、モンサントの遺伝子組み換えトウモロコシの栽培の許可を求める申請が出される。これに対して、農民・市民が反対の行進を全国的に組織して、なんと92%の自治体が遺伝子組み換えフリーゾーン(遺伝子組み換え作物耕作禁止)を宣言。いうまでもなく、トウモロコシは中米が原産国であり、食文化の中心をなす作物であり、そのトウモロコシを守る運動が大きくなる。
 こうした運動を背景に、2014年7月25日には大統領がトウモロコシがコスタリカの文化遺産であると宣言。さらに、2014年9月10日にはコスタリカの憲法裁判所はこれまでの遺伝子組み換え作物の承認過程は違憲であるとした(ちなみにコスタリカではわずかであるが大豆とコットンの遺伝子組み換え栽培国になっている。パイナップルやバナナの実験も)。
 しかし、2015年、再び種子法の改定が試みられる。12月には農業委員会で承認され、国会での承認を待つだけになっている。多国籍企業の種子が自由にコスタリカに入っていくことにより、コスタリカでの農業は多国籍企業に支配されてしまう。農民や市民はその意図を見抜いており、闘いは続いている。

El control legal de las semillas: el caso de la ley de certificación en Costa Rica

La lucha por las semillas

Costa Rica: primera victoria ecologista contra los transgénicos

Awaiting a court decision, anti-GMO activists gain symbolic ground

コスタリカでのこの種子の闘いは『種子(たね)-みんなのもの?それとも企業の所有物?』でも出てきます。現在、DVD作成中

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