ラウンドアップと急性骨髄性白血病

 モンサントの農薬ラウンドアップ(主成分グリホサート)が急性骨髄性白血病(acute myeloid leukemia、AML)との関連が米国政府の研究で発表され、大きな衝撃が生まれている。発表したのはAgricultural Health Study(AHS)で、米国の国立ガン研究所、国立環境健康科学研究所、環境保護庁、国立職業安全健康研究所の共同プロジェクト。AMLは急速に発達するガンであり、5年の生存確率は27%。
 WHOの外部研究機関IARC(国際ガン研究機関)は2015年グリホサートを2Aの発ガン性物質に分類した(2Aは実験動物での発ガン性確認、人間ではデータ不十分、ということでヒトに対して「おそらく発ガン性がある」という分類となる)。モンサントはIARCの研究を攻撃したが、この判断には11の国から17人の専門家が精査したものであり、揺らぐものではない。
 フランスでは1700人の医師によって作られる連合体がグリホサートの市場からの一掃を求め、米国でもすべての州でグリホサートの全面禁止を求める運動が開始されている。その運動にさらに火がつくことになりそう。スリランカやアラブ6カ国が禁止に踏み切り、個人向けに販売を禁止する国もいくつも出ている。
 フランス政府はグリホサートに続いて、グルホシネート(バスタ)の禁止にも取り組む姿勢を示している。どちらも遺伝子組み換え農業では多く使われている。

 しかし、一方で日本政府はその反対で、グリホサートの規制ではなく、大幅規制緩和を行おうとしてパブリックコメントも実施済みだ。もっともその大幅緩和は8月から実施を予定していたと思われるが、パブリックコメントに寄せられたコメントに対する報告もなく、緩和の実施を伝える決定も見当たらない。あまりに世界の動きと正反対のことになってしまっていて、さすがの農水省も「これはやばい」と世界の動きにびっくりしているのか。もしこれで実施するようなことをすれば世界の笑いものだろう。

AHSでの研究について
Updated Ag Health Study of Glyphosate and Cancer

グリホサートの市場からの撤廃を要求するフランス医師の連合体
Glyphosate : « En Europe, un pesticide classé cancérogène doit être retiré du marché »

Moms Across Americaがすべての州知事に禁止を求める運動を開始している。
Moms Across America: 50 States Ask Governors To Ban Glyphosate Citizen Groups Unite to Protect Children

グリホサートがなければ農業できないじゃないか、という人へ
Farming without glyphosate — would it work?

日本でグリホサートを大幅規制緩和しようというパブリックコメントについて

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