枯れ葉剤2,4-D耐性のコットン栽培、来年開始?

ベトナム戦争での枯れ葉剤散布 USAF – National Museum of the U.S. Air Force photo 071002-F-1234P-022
 ついにベトナム戦争で使われた枯れ葉剤の主成分2,4-Dに耐性のあるダウ・ケミカルの遺伝子組み換えコットンの栽培が来年から始まる可能性が高くなった。
 2,4-Dはエージェント・オレンジと呼ばれた枯れ葉剤の主成分。エージェント・オレンジは2,4,5-Tと混ぜられ使われた。2,4,5-Tはダイオキシンを製造過程で作り出してしまい、このダイオキシンによってベトナムで今なお多くの人が苦しんでいることは周知のこと。ダイオキシンの影響は3世代以上にわたって続く(被ばくしていない子ども、孫にも影響が及ぶ)。2,4,5-Tはその後、禁止されたが、2,4-Dは情報操作によって禁止を免れ、今なお農薬として売られているが、世界を揺るがしているグリホサートよりも最大300倍危険だとされる、グリホサートよりも毒性の強いものだ。米国でのダイオキシン発生源の1つとなっている。
 栽培が始まれば、その枯れ葉剤が今後、私たちの胃の中にも入っていくことになる。コットンは食べないと言うかもしれないが、綿実油や、その絞りかすは家畜の餌に使われ、食の中にも入っていく。
 承認に向けてゴーサインを出したのはアーカンソー州の農業理事会小委員会。耳を疑う。今年、アーカンソー州はモンサントのジカンバ耐性遺伝子組み換え大豆の栽培をめぐり、ジカンバによる周辺農場への被害が相次ぎ、アーカンソー州はジカンバの使用を来年度は認めない方針を打ち出した。モンサントはそれを攻撃する。その攻防で揺れている最中の州。ジカンバといっしょに語られる2,4-Dにゴーサインを出すというのは信じがたい。
 この後、理事会の全体会で12月12日に投票が行われ、その後、30日のパブリックコメント、さらに公聴会送りとなる。まだ止まる可能性はある。

 2,4-D耐性遺伝子組み換えはすでに米国環境保護庁は承認している。もっとも米国の場合は枯れ葉剤耐性遺伝子組み換えに対して強い反対運動が起き、米国政府も2年にわたって承認ができなかった。しかし、日本政府は米国より2年早くこの枯れ葉剤遺伝子組み換えを承認済みである。農水省の担当官は2,4-Dが米国におけるダイオキシン発生源の1つであることすら知らずに承認していた。残念ながらこの問題に触れたマスコミをいまだ知らない。

 そもそも遺伝子組み換えはジカンバや2,4-Dといった危険な農薬を使わなくてすむ安全な技術だとして受け取られた。グリホサート自身、発ガン性、内分泌撹乱物質、腸内細菌や土壌細菌へのダメージ、神経毒など数多くの危険が指摘され、世界は禁止に向かいつつあるが、それも世界中で大量に使われるからその毒性に関心が集まっているのであって、2,4-Dはグリホサートの危険性を上回るだろう。遺伝子組み換えで大量に使われることになれば、世界はより大きな危険に曝されることになる。そして何より、それを使わざるをえなくなった、という時点でこの遺伝子組み換え技術は失敗した技術であるという認定を与えざるをえない。

 遺伝子組み換えやセットで使われる農薬による農業ではない農業は可能である、そうした農業は今、世界で広がりつつある。しかし、多国籍企業は種子から市場までを一手に握ることでその変更を拒もうとしている。この攻防がどうなるかは、この地球の環境とそこに生きる生命に関わる問題である。

Cotton herbicide gets nod from state Plant Board

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