沖縄と東電福島原発事故-その2 春ウコン

放射能被曝対策としてヨモギの可能性を考えている時に那覇近郊で薬草園を経営される方のお話を聞いた。それは家族が沖縄に避難した後、初めて沖縄を訪問した時だっただろうか(2011年)。

東電原発事故の影響による放射能被曝から起きる健康被害について話したら、その方からすぐに勧められたのは春ウコンだった。その時はヨモギで頭がいっぱいだったこともあるが、どこか春ウコンは高価に違いないと決めつけていたため、すぐには春ウコンの可能性を追求しようという気になれなかった。

サプリメントのたぐいは高価なものが多い。でも、今回のケースでは避難したり、経済的に厳しい状況にある人も少なくない。そのような人たちに勧めるものとしては無理せず続けることができることができる価格で入手できるものであってほしい。継続できなければ効果も続かない。ヨモギはその点でも格別高価ではなく、最適だと思われたのだ。

沖縄で売っている春ウコン(粉)その後、ヨモギエキスの挫折の後、薬草を探す作業は中断していたが、沖縄行くたびに、春ウコンの効能は何度も耳にする。どんなものか試してみようという気持ちになったのがずいぶん年月がたって2012年の夏のことだった。那覇市の国際通りの薬草を売る店で200gで1000円ほどで購入した。

高いと決めつけていたのはまったくの勘違いで、決して高くない。大人の場合、体重にもよるが一日5gから7gで十分(体重が70kgであれば7g、60kgであれば6gを目安に)。これを料理に入れたり、水に溶かして飲めばよい(1リットルくらいの水に溶かして毎時間少しずつ飲むような形が一番望ましいのだろう)。200g、1000円であれば1g5円だから一日わずか25円から35円。今年の年末に買った時は100gで800円だった。冬場は若干高くなるのかもしれない。しかし、これであっても一日50円程度ですむ。まだ春ウコンの栽培農家の人たちの状況がどうなっているか、まだ調べられていない。この値段が彼らにとってどうなのか(果たして正当な価格なのか)、まだわからない。

日本でウコンというと「ウコンの力」のように二日酔いの薬のように思われているかもしれない。よく使われているのは春ウコンではなく、秋ウコンの方。秋ウコンには春ウコンのような苦みはないものの、摂取の仕方によっては肝臓に悪影響を与える副作用があるという。

春ウコンの効能は…と書き出して薬事法違反と言われると困るので、その意義に関しては今度時間のある時に学術論文を翻訳するなどの形で表現できればと思う(”apoptosis wild turmeric”で検索すればさまざまな学術論文のありかも探すことができる。日本語になっている情報でも「春ウコン、効能」で検索すればだいたいつかめるだろう)。医学的な証明を元にその価値を知ることを妨げることはさすがに日本の悪法も妨げられないだろうから。一言書いておくと、春ウコンはガン化した細胞のアポトーシス、細胞自然死を促し、細胞の再生を促す、という研究が出ている。もちろん体質に合うかどうかにもよるだろうし、摂取の方法なども慎重に考える必要はあるだろう。インターネットを通じてもほぼ沖縄の薬草店と同じ価格(+送料)で売っている。漢方薬の医師が近くにいれば相談してみるのも手だろう。

しかし、ヨモギも春ウコンも同じ問題がある。もっとも守らなければならない子どもたちにとって、どちらも必ずしも摂取しやすいものではない、ということだ。ヨモギは沖縄ではさまざまな料理で使われるため、子どもでも自然に摂取できる。だけど沖縄以外ではヨモギはそう頻繁に摂取する食材ではない。春ウコンは苦いため、カレーにちょっと入れただけでも感づかれてしまう。沖縄では炒め物や味噌汁などの料理にほんのちょびっとずつ入れて食べさせているという話を薬草店のおばあさんは話してくれた。かつて長寿日本一の県だけある。しかし、やはり沖縄の子どもたちにとっても春ウコンは苦いらしい。わが息子にもなんとか摂取させたいのだが、苦い薬は全然苦にしないのに春ウコンはなかなか受け付けてくれない。料理の腕の発揮しどころだろうか…(ちなみに子どもの場合の適量に関しては裏付けとなる学術的な情報はまだ得られていないが微量であれば特殊な体質でない限り、問題が出るとは考えにくいだろう。いずれにしてもわずかであれ苦くなるのでほんのわずかしかいれられない)。

春ウコンはすでに実績も多くあり、その効果を知る人は沖縄には少なくない。オンラインでも購入可能であり、その価格が十分正当であることを祈るが、関心がある方はご自分でお調べになることをお薦めする。

本土の企業に利益を搾り取られるのではない形で、沖縄の自然の恵みをわけていただくことが可能であれば、いいのだが、この件については継続的に調べてみたいと思っている。

子どもの体をどう守るか、そして沖縄への恩をどう返すかは継続課題のまま、探求は続く。


参考になるページをいくつかあげておく(いずれも英語)

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